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育老日記・痴呆の症状と向き合う備忘録



■ベッド?2004/8/2(月)
 午後4時30分帰宅。
いつものように何をしてきたかを訊いてみた。
「歌ったり体操したり、いつもと変わらないよ」と。
急に父が「ベッド買うんだろう?横に棒が出るやつ」と言い出す。
「ベッドってお父さんが入院してた時に使ってたみたいなの?
脇に柵みたいなのがあって、角度変えられるやつ?」
「よくわからないんだけど、買うんだろう?」
「寝たきりになって動けなくなったら必要だけど、
お父さんはまだ元気だから買わないよ」と言ってみたら、
なんとなく納得した様子。
想像すると、ショートステイで同室になった方が、
ベッドを購入するという話でもしたのではないかな。
その後いきなり「20歳くらいの女の人が海で溺れてさ」と話が変わる。
父が若い頃に海で溺れた人を助けたらしいのだけど、
昨日あった出来事のように話をする。
目が半眼になっているので疲れたらしい。
夕食の後ベッドで寝かせた。

父の洗濯物を洗う。気をつけないと想像しない所に紙が入っていたり。
以前靴下の中にティッシュが入っていたのに気付かずに洗ったら、
洗濯物全体に細かい紙が付いてしまったことが。

8月予定
デイサービス:4/6/7/9/14/16/21/23
ショートステイ:11〜13/17〜19/25〜30

■夜中に騒音2004/8/3(火)
 深夜父が寝ている場所から「ダダン!」という騒音がしたので、
ベッドから落ちたのかと慌てて行ってみた。
父は硯(すずり)の大きなものを持ってベッドに座っていた。
棚から取り出してバランスを崩したらしい。
持ってみたら3kg以上ある。
「どうしたの?大丈夫?」と訊いてみたら、
「書き物するんだ。筆を買いに行かなきゃ」と言い出す。
さっきの音も床を踏み鳴らしただけというのが判明。
あたりに教本や水墨画集が散乱していた。
「夜中暗い所で書き物しないで、明日の昼間やろうよ。
筆なら売るほどあるんだから、新しいの買うことないよ。」
と言ってみたけど、なにかをやらなきゃと思うらしく、
部屋のあちこちの道具を取り出していた。
「寝る前の薬飲んじゃおう」と眠剤を飲ませて寝かせて、
本や道具を片付けた。

朝起きて父を確認したら座椅子で熟睡。
早朝動いたのか長袖のシャツを着ていた。
その後起きて来たので半袖に着替えさせる。
タンスをガタガタさせてシャツを取り出し、
3枚重ね着しているので1枚だけ残して脱がせた。
しばらく歩き回った後ベッドに横になって熟睡しはじめた。
昼間床に紙を直接置いて何かを描いていた。
下敷きをしていないので汚れてあちこちに墨がついていた。
紙には竹と梅のような感じの模様が。
「いい出来だろう」と父が言うので、
「色の濃淡が出ていて良く描けてるね」と感想を伝えた。
筆を持って紙に描くという事がまだ出来る。
■冬物2004/8/4(水)
 朝父を確認しに行くと、冬物の上着を着て寝ていた。
熟睡しているようなのでそのまま寝かせて、午前8時に起した。
座椅子に座らせてヒゲソリと鼻毛・眉毛切りをする。
朝食後歯磨きとヘアーセットをして座椅子で寝かせた。
午前9時お迎えバスが来たので起して、
「今日はお泊りじゃないから気楽に遊んで来てね」と送り出した。
職員の方から施設で盆踊りがあるというお知らせの紙を貰う。
今年から始まった行事らしい。
日時:8月28日(土)午後5:30より
施設駐車場にて・雨天の場合は室内
この日は父がショートステイで泊りなので、そのまま参加になりそう。
午後4時帰宅した父は思い込みの話をし始めた。
「今度引越しする事を皆知ってるんだ。」
言葉がこもっていて内容がよく解からない。
「変な事するから、俺言ってやったんだ」とか、
「順番がおかしいんだよ」とか。
目が半眼になっているので疲れたのだろう。
「今日は疲れたでしょ。ちょっと横になって昼寝したほうがいいよ」と
ベッドで寝かせた。
しばらくして起きだしてきた父は少し正常な感じに戻っていた。
■顔面を強打2004/8/5(木)
 朝父を確認してみたら、また長袖を着て寝ていた。
夜中か早朝に起きて着たらしい。
熟睡しているようなのでそのままにしておいた。
今日は夕方から近隣の町内合同の盆踊りがある。
我が家のすぐ隣に会場があるので夜は騒がしくなりそう。
盆踊りの会場の準備でマイクテスト「本日は晴天なり」の連呼が。
起きて来た父は庭から会場を眺めて嬉しそう。
しばらく庭をうろうろした後、部屋に戻って、
「かわいい猫がいるなぁ」とベッドの上を指差す。
いつも使用している枕を触って「大人しいな」と。
父にはいろんなものが見えているんだろうな。

午後7時に盆踊りに連れて行った。
会場入り口の小さな突起につまづいた父は前のめりで倒れた。
顔面を強打して鼻の下とくちの中から出血したので、
家に連れ帰って外科でかかった病院に連絡。
救急で診てくれるというので車に乗せた。
病院でたまたま外科の主治医が当直だったので安心した。
処置してもらったら、上皮が剥けたのと、軽い打撲。
くちの中は顔を打った時に歯も強打したらしく、歯茎から出血。
明日以降状態が悪ければ歯医者に行くようにと。
血止めと化膿止めが入った塗り薬を塗ってもらい帰宅。
家に戻って痛む場所を確認したけど、痛みがわからないのか、
本当に痛くないのかは不明。
チョビヒゲのような真っ赤な傷が出来ていたので二人で笑った。
盆踊り会場で花火が上がったのを庭に出て見る。
血がまだ止まらないようなので、薬を塗って寝かせた。
■お迎えが来ない2004/8/6(金)
 朝父に「今日はゴミの日だよ」と伝えて、部屋のゴミを回収した。
しばらくして外にふらふらと出て行く父を発見。
「ゴミを見に行こうとした」という理由らしい。
「ゴミは出したよ」と言って家に連れ戻した。
頭の回路が変なつながり方をしてしまったのか?

追加で利用する日はお迎えを忘れられる事が度々あったので、
前回利用したときに「金曜日に迎えを忘れずにお願いします」と
連絡ノートに書いたのに9時20分になっても来ない。
施設に連絡して来てもらった。まるで蕎麦屋の出前のネタ。
朝の確認が足りないんだろうな。
働く人も人間なんだから間違いはあるだろうけど毎回だと閉口する。
職員の方に怪我の話をしたら「食事をおかゆにしましょう」と
気遣ってくれた。
■行きたくない2004/8/7(土)
 今朝は鼻の下が腫れていた。
「喉が痛いから病院行きたい」と言い出す。
首でも痛めたのか食べ物が喉を通らないらしい。
テーブルの上の皿にご飯の上にゆで蕎麦が。
「お父さんこれ食べたの?」と訊くとうなずく。
「そばつゆを使わないで乾いた蕎麦を食べたら、
誰でも喉に詰まるよ。」とテーブルから片付けた。

ヨーグルトと卵豆腐を食べさせてみた。
「これなら食べられる」と食べ終わった後、
ハンバーグとパンをしっかり食べた。
座椅子に座らせてヒゲソリをして顔を拭いて薬をつけた。
そのまま熟睡。
午前9時お迎えが来たので起したら、
「今日は行きたくない」と言い出す。
職員の方を見たら起き上がって無言で靴を履いた。
お迎えバスに乗り込む頃には笑顔になっていた。
ほっと一安心する。
午後4時過ぎ雷雨の中帰宅。
カラオケとボーリングゲームをしてきたらしい。
■お墓の掃除2004/8/8(日)
 朝父が「かばんはどこにあるんかな?」と探していた。
「食べ物が入っているから、腐っちゃうんだ」と。
夢で見たのか妄想なのかは解からない。
一応一緒に探すふりをして、
「食べ物入れたかばんは無いみたい」と言ったら納得した様子。
午前中姉と甥二人と甥の彼女が来てくれた。
父を連れてお墓の掃除に行く。
草むしりと植木の剪定と墓石を掃除。
人数がいたのであっという間に終わった。
久しぶりに孫に会えた父は嬉しそうだった。
■かさぶた2004/8/9(月)
 鼻の下のかさぶたが黒くなって盛り上がってきている。
大きさも縦横2cmくらい。ますますチョビヒゲに見える。
剥がれそうになっている箇所もあるので慎重に薬を塗った。
(剥がしたくなるのをこらえるのが大変)
鼻毛と髭が伸びていたので、座椅子に座らせてヒゲソリをした。
鼻の下以外を剃り上げてすっきりした感じ。
ついでに髪を整えた。
午前9時お迎えの職員の方が、
「先日は遅くなってすみません。
月曜日は2台ここを通るので、1台が通過しても、
必ずもう1台が来ますから」と。
「追加の日に迎えが来ない事があるのでよろしくお願いします」
と念を押した。
■再会2004/8/10(火)
 朝から庭をうろうろしていた父は長袖を着ていた。
また夜中に起き出して着たのかな。
庭に置いてあるビールケースにしばらく座ってぼーっとしていた。
室内に戻って座椅子に座ったとたん熟睡。
夢の中で行動している感じ。

午前10時に知り合いのおばさん達が訪ねてくれた。
「久しぶりに先生の顔が見たくなって」と。
父を起して車に乗ったままのおばさん達と会わせた。
先月の手術の話や先日の怪我の話などの近況報告をした。
「一緒にお風呂に入れるなら温泉連れて行くんだけど」
と誘ってくれたけど、男風呂に付いて入る事も出来ないし、
お風呂でどんな行動をしてしまうか解からないので断ることに。
おばさん達の車を見送った後、長袖を脱がせてヒゲソリをした。
そのまま座椅子で熟睡。
夕方「取っちゃった」と父がかさぶたを剥がしてしまった。
目薬をつけようとするのであわてて止めて薬を塗った。
■ショートステイ13日まで2004/8/11(水)
 深夜物音がするので、父の様子を見に行くと、
筆と紙をテーブルに並べて文字らしきものを書いていた。
書道の集まりのおばさん達に会ったのが影響したのか、
それとは関係ないのか何かを書きたくなったようで。
寝そうもないので眠剤を飲ませて寝かせた。

朝起きて父の様子を見に行くと、早朝から起きていたのか
書道の道具があちこちに散乱していた。
眠剤は眠りを導入するだけの効果だったようで。
朝食の後、かさぶたの部分の髭が伸びていたので、
電気カミソリでその部分はヒゲソリをした。
傷も小さくなってきてチョビヒゲではなくなっている。
顔を拭いた後に塗り薬をつけた。
そのまま座椅子で熟睡。
午前9時お迎えが来たので嬉しそうに乗り込む。
「3日間のショートステイよろしくお願いします」と
職員の方に伝えた。
■帰宅2004/8/13(金)
 午後4時帰宅。
電気カミソリを持たせたはずなのに、髭が伸びていた。
「剃らなかったの?」と訊いてみると、
「剃らなかったよ」とオウム返しに答える。
座椅子に座らせてヒゲソリをした。
施設のメモには「夜も快眠しておだやかに過ごしました」と。
夜中徘徊したりしているだろうけど、そのことには触れない。
家族に伝える内容はあたりさわりのないものになっている。
鼻の下のかさぶたもかなり小さくなっていた。
夕食を用意したらきちんと食べた。
■オリンピック2004/8/14(土)
 朝起きて来た父は「寝すぎちゃったよ」と笑っていた。
まだ午前6時30分。
いつも夜中や早朝に動いているので、
父にしては遅いと感じたのかも。
オリンピックの番組を見て喜んでいた。
午前9時お迎えバスに嬉しそうに乗り込んだ。
午後4時帰宅。
職員の方が「治りが早いですね」と傷の事を言っていた。
鼻の下のかさぶたが全部取れていて、
薄っすら赤い部分があるだけになっていた。
連絡メモに「カラオケで無法松の一生を楽しく歌っていました」と
書かれていた。血圧も体温も平常値。
「おっ。カラオケしてきたんだ。良かったね〜」と言ってみると、
嬉しそうだった。
■介護犬2004/8/15(日)
 昨夜から降っている雨のおかげで涼しくなった。
父は「なんだか寒いな」と扇風機をつけていたので消した。
一応寒いという感覚はあるようで。
最近施設利用が定期的だったので少し正常な感じと思っていたら、
犬の水用バケツにご飯とかぼちゃの煮物を入れていた。
介護犬(ちょび犬)は困った顔をして覗き込んでいた。
ご飯皿と水の入ったバケツを間違えたけど、
犬にご飯をあげようとした事がまだ出来るのでいいかな。
こっそり捨てて水を入れなおして犬にはドックフードをあげた。
父は犬の世話をしなきゃと思うのか、自分のご飯を半分あげてしまったり。
以前に比べると、父も犬も一度に食べられる量が減ってきた。
何度食べても胃を壊したり、身体の変調がないようなので好きにさせている。
食べられなくなった時に心配すればいいかなと。
午後に痴呆の症状がいっきに出た。
「はんこがない」とあちこち探し回ったかと思ったら、
茶封筒に写真やカードなどをごっそり入れて
「切手貼って郵便局になんだか見てもらう」と外に出ていた。
行動の意味が解からない。本人は真剣。
「日曜日だから郵便局はお休みだよ」と
家の中に戻してお茶を飲ませた。
「積み立て金がなくなった」と言い出すので、
「お父さんの手術で使っちゃったわ」と言ってみた。
「今日は盆踊りに行くのやめるよ」とうろうろする。
犬のご飯の入れ物を間違えたあたりからおかしい。
ネームカードが首から下がっているのを確認して、
徘徊したら探せばいいかなと慌てないようにした。
夕方姉が心配して来てくれたので父を買い物に連れ出す。
■指輪2004/8/16(月)
 デイサービスの準備をしながら、ヒゲソリと耳掃除をした。
片方の耳を綺麗にするのに綿棒6本使用した。
もっとこまめに掃除してあげないとと反省する。
午前9時にお迎えバスに乗り込む。
午後4時帰宅。姉が来てくれていたので嬉しそう。
「お風呂入ったときに指輪外してカゴに入れたんだけどないかな?」
洗濯物のカゴを見て探し始めた。
お気に入りの指輪を無くしてきたらしい。
施設に電話連絡して指輪を無くしたらしいと伝えた。
しばらく探してくれた後「見当たらないようです」と
わざわざ連絡してくれた。
今まで無くなることもなかったので、そのままにしていたけど、
いざ無くなったら施設の職員さんにも迷惑かける事になる訳で。
父の証言はお風呂で外したと言っていたけど、
朝出かける時にしていたかどうかの記憶が私には無い。
家の中のどこかにしまいこんで、無くなったと言ってるのかも。
「形あるものはいつかは壊れたりするものだし、
排水溝に落ちてしまったかもしれないから」と
諦めさせるように話した。このまま忘れてくれればいいのだけど。
■ショートステイ19日まで2004/8/17(火)
 「切手あるかな?」と父が葉書を持ってきた。
昨日親戚から届いた葡萄のお礼状を書いたようで。
「前略 先日はぶどうありがとうございました」と
どうにか読むことが出来る文字。
「後で出しておくね」と預かったけど、宛先も判別出来ないくらいなので、
封筒に入れてお礼の品と一緒に送ることに。
今朝もヒゲソリと耳掃除をした。
昨日掃除した部分が薄くなっていたらしく、少し外耳炎ぎみ。
洗顔と歯磨きをさせて座椅子で寝かせた。
午前9時お迎えバスに乗り込む。
今回は19日(木)までのショートステイ。
■来月の予約確認2004/8/18(水)
 ケアマネEさんにメールで来月の予約と、
今月の訪問日の確認をすることに。
午前にケアマネEさんから20日(金)午前11時に
訪問すると連絡メールあり。
なるべく2日連続する「なにもない日」を作らないように、
デイサービスとショートを組み合わせて希望日を頼んでみた。
9月の日曜ショートはいっぱいとのことで、
平日で空いている日を確認して予約を取った。
ショート予約:
6(月)〜11(土)と15(水)〜18(土)と22(水)〜25(土)
デイ予約:
1・3・4・13・20・27・29
■帰宅2004/8/19(木)
 午後4時帰宅。ヒゲが伸びている。
電気ヒゲソリを持たせたのに剃っていないらしい。
父が剃るのを拒否したのか、
職員さんがやってくれないのかは不明。
座椅子に寝かせてヒゲソリと耳掃除をした。
鼻の下の傷はほとんどわからないくらい治っていた。
夕食後オリンピックの水泳を見て「魚みたいだ」と喜んでいる。
いきなり棚を指さして「運動会で使うのか?」と言い出す。
父が何を思ってそういうのかは解からないけど、
「運動会では使わないよ」と言ってみると納得したらしい。
座椅子のまま熟睡する。
■ケアマネEさん訪問2004/8/20(金)
 朝父を確認しに行くと、セーターを着ていた。
脱がせて半袖に着替えさせた。
午前11時にケアマネEさん訪問。
父はベッドで熟睡していた。
9月予約の確認と現在の状況などを話した。
痴呆症でも凶暴になるとか、他人と生活できない人がいて、
施設利用が出来ないというケースもあるらしい。
うちの父は施設を仕事しにいってると思い込んでいるので楽。
介護認定の更新はケアマネEさんに介護保険証を渡して、
市の手続きは済んでいるので近日中にあるかもとのこと。
話が終わった頃父が起き出した。
誰が来たのかは把握してない様子。
ケアマネEさんが帰ってもぼーっとしていた。
「暗証番号って何番だっけ?」と唐突に言い出すので、
「何の番号かな?」と訊いてみた。
「お金が出る番号だよ」とキャッシュカードの事をいってるらしい。
「お金を何に使うのかな?」と言ってみると考え込んでいる。
「自転車乗って仕事行くんだ」と思いついたらしい。
「自転車乗って転んだらこの前みたいな怪我じゃすまないよ。
鼻の下かさぶた作るより凄いことになっちゃうわ。
頭打ったりしたら痛いぞ。仕事行く時はお迎えが来るから、
自転車より楽じゃない」と答えてみる。
たまに思い出したように自転車の事を言い出すので、
完璧に忘れたわけじゃないらしい。
■フリース2004/8/21(土)
 今朝はフリースを着込んでいた。
すぐに暑くなってきたので脱がせて半袖を着せた。
朝食後ヒゲソリと耳掃除をする。
午前9時お迎えバスに乗り込んだ。
午後4時帰宅。
連絡メモに「ショート時に電気カミソリを持たせても、
ヒゲソリしてもらえない場合があるのは、
本人が嫌がるからでしょうか?」
と書いておいたら解答が書かれていた。
「一度拒否されてからしていませんでした。
申し訳ございません。今後本人の様子をみて、
剃るようにいたします」と。
家でヒゲソリを拒否したことがなかったので、
施設では違うんだなと痛感した。
一度の拒否でその後剃らなくなったということは、
かなり職員さんを困らせた状態だったのだろうか?
「面倒だろうから剃らなくていいよ。
家に帰ってから剃るから」って感じならいいんだけど。
■認定調査日の調整2004/8/23(月)
 デイサービスの準備をしながら、
いつもどおりにヒゲソリと歯磨きをする。
歯磨きは磨き残しをするので手伝う。
午前9時お迎えバスに嬉しそうに乗り込んだ。

午前中に市役所の介護保険課から、
介護認定調査日をいつにするかという連絡が入った。
水曜日から月曜までショートステイの予定を伝えると、
明日の24日(火)午後1:30分に訪問とのこと。
現在の介護度3の有効期限は9月30日までなので、
期限前に継続の調査があるというわけ。
また父は張り切ってしまうんだろうな。

午後4時20分小雨が降る中帰宅。
盆踊りの練習と、カラオケを楽しんだらしい。
■床屋2004/8/22(日)
 午後久しぶりに床屋に連れて行った。
いつもの店なので父もリラックスしていた。
時々鏡に映る私と目が合うと、嬉しそうに笑う。
耳掃除の時に右耳が痛いといっていたので、
外耳炎ぎみだったのがまだ治っていない様子。
さっぱりして帰宅。
大工の棟梁のような髪型になったので、
庭で記念に撮影してみた。
■介護認定調査2004/8/24(火)
 午後1:30分介護認定調査の担当さんが訪問。
同意書の名前の欄に父は震えながらも自分の名前を書いた。
「文字が綺麗ですね」と誉められて嬉しそう。
しばらく書道の話をして、身体の状態を確認した。
片足で1秒以上立てるかどうか父にやらせてみたら、
揺れながらもどうにか立っていられた。
かなり張り切っている。
調査担当さんが上手に話をしてくれたので、
父もあれこれ話すことが出来た。
帰り際に父のいない場所で現状を話す。
薬がくちに残ったまま飲み込めない事があるとか、
妄想や幻聴、徘徊などはあいかわらずあるなど。
手術をしたり、転んで怪我してもあまり痛がらないことを話したら、
「痴呆症の症状の方で痛みを感じない人が多いようです」と。
父が「ぜんぜん痛くないんだよ」っていうのは、
脳が痛みを感じてなかったようで。
骨折したまま痛みが解からずに悪化させるケースもあるとか。
手術後や怪我の後痛みが感じないのはそれなりに幸せかも。
夕方外に出て行こうとする父を発見して家に連れ戻した。
理由を訊いて見たら「脱獄犯が来てるから見に行く」と言い出す。
ニュースでさいたま市の脱獄を見て、家のそばで起きた事と思ったようで。
「体操の機械の中におばあさんがはさまってるから行ってくる」と
オリンピックに影響された発言とか、
「手術した後を診てもらう」などと2時間おきに理由をつけて出ようとする。
調査員の方と話して興奮が覚めない様子。
「いなくなってから心配しよう」と呪文のように自分に言い聞かせた。
■裸で外に2004/8/25(水)
 深夜12:00過ぎ、父が外に出たので様子をみたら、
裸にタオル1枚持って立っていた。
慌てて室内に入れた。
「そこにいた人がお風呂入ったんで」と妄想をみていた。
服を着せようとすると、着せたものから脱ぎ出す。
着ると脱ぐの行動がごっちゃになっている。
眠剤を飲ませて寝かせた。

早朝父の様子を見に行くと、ちょうど外に出ようとしていた。
セーターの上に長袖のシャツを着て、
その上に半袖のシャツを着ていた。
下はジャージの上に黒礼服のズボンを履いている。
足元は茶色の革靴。綿の白の帽子。
どうみても普通じゃない服装をしていた。
室内に戻してベッドに寝かせるとすぐに熟睡しはじめた。
夜中に脱いだシャツの胸のあたりにドロがついている。
徘徊して転んだのかは不明。
午前8時に起してヒゲソリと耳掃除と歯磨きをした。
そのまま座椅子で寝かせた。
午前9時お迎えの職員の方に父の状態を知らせる。
今日から30日(月)までのショートステイ。
やっとゆっくり眠れる。
■盆踊り2004/8/28(土)
 夕方から施設で盆踊りが。
職員さんやボランティアの方が、綿飴・かき氷を作っていた。
綿飴を頂いたので食べながら待つ。
地域のお囃子がボランティアで演奏参加してくれていた。
広場のあちこちに色ガラスのコップに蝋燭を灯して、
薄暗くなった会場の雰囲気を盛り上げていた。
準備大変だったろうなぁと思う。
父のお迎えで顔見知りの職員さん数人と挨拶した。
ショートステイの直前に凄い状態だったので、
迷惑かけていないか心配だったけど施設では普通らしい。
大勢の中にいると刺激があるのか、変な行動はしないようで。
演奏と踊りが始まった頃、父が外に出て来た。
職員さんと利用者らしき年配の女性二人と手をつないでいる。
幼稚園のお遊戯をしているような感じで微笑ましい姿。
父はイスに座って踊らずに手をたたいていた。
踊りの輪が出来てきたので、父を誘って踊り出してみた。
楽しそうに手を叩いたりして歩いていた。
どうにか一周して疲れたらしくまたイスに座り込んだ。
タイミングを見計らって父に「用事あるから行くね」と、
職員さんに後を任せて帰宅する。
■ショート追加2004/8/30(月)
 9月3日に町内の体育祭理事会の会合があるので、
夜の会議に出席する間に父を一人にしておくのが心配だったので、
追加のショートステイをお願いすることに。
ケアマネEさんから1(水)〜4(土)まで空いていたので、
追加予約出来たと連絡があった。
ついでに10月のショートステイも希望を出しておいたら、
全部希望通りに予約することが出来た。
午後4時父が帰宅。病院に連れて行く。
「昨日変なオヤジとクチ喧嘩したんだよ」と車の中で言い出す。
断片的に聴いた内容は、田舎風オヤジが父の隣にいて鍵(自動車の鍵?)を
どこかに放り投げて無くしてしまったから怒鳴ったんだそうで。
毎度内容がよく解からない話なので「そっか〜。大変だったね」と
気持ちのこもっていない相槌を打っておいたけど。
あっという間に病院の診察が終わったので帰宅。
■夢と現実が2004/8/31(火)
 今日は父の妄想と思い込みが炸裂していた。
「お蕎麦の代金を払ってないから払ってくる」
「トヨタの古い車があるんだけど。あれは誰のだ?」
「部分入れ歯を作り直すことになったから歯医者に行く」
「ここの家の息子は釣りをするんだよな」
箇条書きにするだけで小説になりそうなくらい。
行動しようとするときに父に説明させて、矛盾している場合は修正する。
父も「あれだけはっきり見えてたのに夢だったのかな?」と
多少の自覚はしている様子。




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